悩める若手大学職員のブログ

今後のキャリアプランに悩む大学職員です。日々感じたことや読んだ文献を記事にします。更新は不定期です。

感想:倉部史記(2023)『大学職員のリアル 18歳人口激減で「人気職」はどうなる? 』中央公論新社

大学職員業界で話題の新書を読み、とても面白く、また、新しくノートパソコンを買ってたくさんタイピングしたい気分でなので、1年ぶりに記事を更新することにしました。

業界で話題の『大学職員のリアル』、公式の紹介は以下の通りですが、

大学職員は「年収一千万円以上で仕事も楽勝」と噂の人気職だが、はたして真相は? 私立大学の元職員である二人の著者が、学生や外部からは見えにくい組織のピンキリな舞台裏を明かしつつ、18歳人口が激減する業界の将来不安、職員が抱えがちなキャリアの悩み、教員との微妙な関係性、そして高度専門職としてのモデルや熱い想いを伝える。それでも大学職員を志す人、続けていきたい人、辞めようかどうか迷っている職員のための必読書。

www.chuko.co.jp

まさにこの通りで、大学職員を目指す人や現役大学職員にとっての「必読書」になる本です。特に、過度に悲観的・楽観的になることなく業界のリアルを描いている点のバランス感が非常に良かったです。就活をしている学生にとっては業界研究のとっかかりとしてとても読みやすく、少なくともこの本に目を通しておけば、大学職員の仕事を単なる窓口業務や事務処理だけの仕事ではないと理解できます。また、現役大学職員にとっても自分がいる業界の状況を見つめなおしたり、今後のキャリアを考えるきっかけになるかと思います。私自身もこの本を読んで自分の業務や仕事への向き合い方を再度捉えなおすことになりました。

全体的な感想としては以上で、以下は印象に残った箇所、自分自身へのメモとして残しておきます。

  • P.96:「大学職員は数字を追わなくて良い」という言説の誤りについて
  • P.138:大学職員向けの大学院のコース一覧(全コース把握はしているが念のためメモ)
  • 特定のページではなく、複数の章で紹介されている現役大学職員のインタビュー
  • P.281:台車を使う大学職員のイラストにとてもリアルを感じた

自身がいる業界についての本ということもあって、初耳の情報などはほとんどありませんでしたが、「うんうん」「そうだよなぁ…」「わかるぅー」と共感が多く、楽しく読むことができました。あと6年早く出版されていれば就活生の時に読めたのになぁと思うくらいに「リアル」が満載の一冊でした。